Saturday, May 5, 2012

キム・ヘジョンさんの器

Imgp7601 来週月曜から始まる ”ash (satsuma design & craft) at organ ” に向けて、鹿児島から荷物が続々到着。どの商品もそれぞれに興味深く、なかでも "CHIN JUKAN POTTERY" から届いたキム・ヘジョンさんの焼き物に驚いた。どれもビッシリと貫入(かんにゅう)が入っている。まるで細かな蜘蛛の巣のような模様(というと、貫入が苦手な人は腰が引けそうなのだ)が、器自体の美しい形に格別の表情を与えることに成功している。 1200 度くらいの高温で焼きあがった作品が冷えてゆく過程で、表面が溶けてガラスのようになった釉薬が収縮してヒビのような状態になって固まるのが貫入なのだが、使ってゆく過程でゆっくり貫入が進むこともあり、昔の茶人などは茶渋やシミが入り込んだ抹茶茶碗などを「景色」として楽しんだのは御存知の通り。そこまでではないにしても、ぼくが「貫入好き」になったきっかけは李朝の茶碗。 8 年ほど前だったか、ソウルへ出かけてアンティック屋めぐりをしたこともあった。でも、キムさんの器の魅力はなんといっても色と形。この柔らかな黄色もいいのだが、透き通るような青磁に浮き出る貫入はとても美しい。そう、葉脈のようだと言い直しておこう。